CY3210-MiniEval1でLCDモジュールを使用してみる

先日、PSoC Designerのセミナーに参加してきました。このセミナーではCY3210-PSoCEval1評価基板を使って実習を行っていましたが、復習のために買うにはPSoCEval1はちょっと高い。(まぁ仕事で使う人にはどうということのない程度の金額なのですが。)

PSoC関連評価基板では、もう1つ下に位置付けられているCY3210-MiniEval1という基板があります。この基板はCY3210-MiniProg1というミニライターセットに付属しているもので、秋月ではこのライターは\4,000で購入できます

CY3210-MiniProg1の中身(ライターPSoC MiniProgと付属基板CY3210-MiniEval1)


この値段なら気軽に購入できます。しかし、PSoCEval1には付いているLCDモジュールがMiniProg1には付いていません。マイコンでの開発の場合、表示装置があるのとないのとでは開発の容易さに雲泥の差があります。(特にインサーキットデバッグ機能がチップに内蔵されていないPSoCではその差が大きい。)

そこで、同じく秋月で売っているLCDモジュールと組み合わせて、付属LCDモジュールと同様に使えるかどうか試してみました。

目標は です。


使用LCDモジュール

使用したLCDモジュール(以下「秋月LCDモジュール」)は以下のものです。
※注:秋月には同様のLCDモジュールでバックライト無しのもの(\700)もあります。バックライトの有無以外は同じものなので、どちらでも同様に使えるはずです。

秋月LCDモジュールの様子。


パッケージの中身。


通常、ピンヘッダないしピンソケットはLCDモジュールの裏面に取り付けるのですが、今回はジャンパケーブルで接続したいので、取り回しがしやすいように表面に取り付けました。


購入した秋月LCDモジュールにはLEDバックライトが内蔵されていて、使わないともったいない(笑)ので、裏面のジャンパJ3をショートし、電流制限抵抗R9を取り付けました。(このチップ抵抗は手持ちの82Ωを使用。なお、バックライトが無くても動作に支障はありません。)


秋月LCDモジュールの準備はこれで終わりです。


秋月LCDモジュールの互換性の確認

秋月LCDモジュールに付属している資料を確認したところ、ソフト的な互換性は(日立HD44780 LCDコントローラ互換という意味で)保たれているようですが、念のため確認しておきます。

先月、PSoC Expressワールドツアーに参加したときに貰ってきたPSoC Express評価基板には、PSoCEval1と同じLCDモジュールが付属しています。まずはこの評価基板+付属LCDモジュール用のアプリケーションを用意しました。


ちゃんと文字が表示されています。

今度は、この付属LCDモジュールを秋月LCDモジュールと差し替えます。その際のピンの対応関係は次のようになります。

付属LCDモジュールのピン配列(xxは未使用)


秋月LCDモジュールのピン配列


ピン番号付属LCDモジュール秋月LCDモジュール特記
1VSSVDD混ぜるな危険
2VDDVSS混ぜるな危険
3VOVO本来はコントラスト調整用だが、
VSSに接続すればとりあえず見える。
4RSRS
5R/WR/W
6EE
7D0D0使用しない
8D1D1使用しない
9D2D2使用しない
10D3D3使用しない
11D4D4
12D5D5
13D6D6
14D7D7

実際にこの対応関係のとおり配線して動作させてみると・・・


ちゃんと同じ表示が出ました。付属LCDモジュールと差し替えて使用できそうです。


MiniEval1に秋月LCDモジュールを接続する

いよいよ本番のMiniEval1+秋月LCDモジュールの組み合わせです。まず配線ですが、PSoCEval1と同じ対応関係になるように配線したいので、まずPSoCEval1の回路を確認します。

PSoCEval1回路図から抜粋:


これを見ると、LCDモジュールの接続に必要なピンはP20〜P26の7本と電源(VDD/VSS)、コントラスト調整の計10本であることが分かります。このうちコントラスト調整はとりあえずVSS直結で良いので、信号線の7本と電源が確保できればOKです。

MiniEval1の回路図を見ると(解像度の低い図しか見つからなかった・・・):


J1にP20〜P27が出ているので、信号線は確保できます。VDDとVSSは基板上にそれぞれランドが用意されているので、そこから取ることにします。

ところで、基板のシルク印刷を見ても、J1のピン配列がいまひとつ明確ではありません。パターンを追ってみると、こうなっていました。


秋月LCDモジュールのピンとの対応関係はこうなります。

MiniEval1秋月LCDモジュール特記
111D4
212D5
313D6
414D7
56E
64RS
75R/W
VCC1VDD
GND2VSS
GND3VO

これらを基にして対応するピン等を配線してみると、こんな感じになります。


VDDとVSSは基板上のランドにワニ口クリップを噛ませるという強引技になっていますが、どんな方法であっても接続さえ確保できればOKです(笑) VO(コントラスト調整)に接続するジャンパケーブル(上の写真では緑色のケーブル)はVSS側クリップに共噛みさせてあります。

この状態でPSoCEval1用のLCDモジュール使用アプリケーションを動作させてみるわけですが、PSoCセミナーで使用していたPSoCチップ(CY8C29466)にあわせて、PSoC Designerに付属しているサンプルプロジェクト "Program Files\Cypress MicroSystems\PSoC Designer\Examples\CY8C29\C_Example_ADC_UART_LCD" を使用してみます。このプロジェクトはPSoCEval1用になっています。

このアプリケーションをビルド・書き込みして実行してみると、こうなります。


無事、表示されました。これで、MiniEval1でもPSoCEval1用のプログラムでLCD表示ができそうです。



7/28/2007 作成


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